The Process of Making Kutani Ware Plate - Japanese Kutani Store

九谷焼の作成プロセス

九谷焼は、日本の陶磁器の中でも圧倒的な人気を誇る、極めて歴史深い工芸品です。その歩みは360年を超え、今日に至るまでその伝統の物語は脈々と受け継がれています。日本で生まれた九谷焼ですが、その芸術性は国境を越え、今や世界中のあらゆる場所で愛されています。

九谷焼の最大の魅力は、自然の息吹を感じさせる写実的な絵付けにあります。壮大な山河を描いた風景画、古き良き日本の人物図、そして色鮮やかな花鳥画――。深みのある濃い色彩を自在に操り、独自の意匠を凝らしたデザインこそが、九谷焼を唯一無二の存在たらしめているのです。

 

九谷焼の歩み:受け継がれる「火」の物語

九谷焼の歴史は、17世紀半ば、加賀藩の支藩である大聖寺藩の初代藩主・前田利治(まえだ としはる)が、領内の九谷村で磁器の原料となる陶石を発見させたことに始まります。

利治公の命を受けた後藤才次郎(ごとう さいじろう)は、肥前有田(現在の佐賀県)へ渡り、磁器の製造技術を学びました。帰郷後、彼は九谷の地に初めての窯を築き、これが九谷焼の誕生となりました。

伝説の「古九谷」—— 突然の閉窯 その後、約100年にわたり生産は隆盛を極めましたが、1730年頃、九谷の窯は突如として閉じられ、その後約80年もの間、その技術は途絶えてしまいます。理由は藩の財政難など諸説ありますが、1655年からこの閉窯までに作られた作品は現在**「古九谷(こくたに)」**と呼ばれ、その希少性と芸術的価値から、美術館や熱心な収集家のみが手にできる至宝とされています。

「再興九谷」—— 蘇る伝統と世界への飛躍 沈黙の時を経て、1807年。九谷焼を愛する人々の情熱により、再びその火が灯されました。これが「再興九谷(さいこうくたに)」の時代の幕開けです。この時期、新しい技法が次々と生み出されるとともに、海外への輸出も本格的に始まり、九谷焼は「ジャパン・クタニ」として世界中を席巻することとなりました。

この再興の精神こそが、現代にまで続く九谷焼の絶え間ない進化の原動力となっているのです。

 

世界を魅了した「ジャパン・クタニ」の誕生

九谷焼が世界の舞台で脚光を浴びるきっかけとなったのは、1873年(明治6年)に開催されたウィーン万国博覧会でした。会場に展示された九谷焼の鮮やかな色彩と緻密な美しさは、来場したすべての人々を圧倒しました。これを機に、ヨーロッパをはじめとする世界各国で九谷焼の需要が爆発的に高まりました。

この万博において、九谷焼は「ジャパン・クタニ(Japan Kutani)」の名で紹介されました。それは、九谷焼が日本を代表する類まれな芸術であり、異国情緒あふれる唯一無二の存在であることを世界に知らしめる重要な転換点となったのです。

明治維新と九谷焼 1873年当時の日本は、江戸幕府による鎖国が解かれ、明治新政府へと移行してからわずか5年という激動の時代にありました。日本が外の世界と新たな関係を築き始める中、九谷焼はその美しさを通じて諸外国との架け橋となり、開国間もない日本の誇りと心の支えとなったのです。

受け継がれる聖地と現在の歩み かつて九谷焼が産声を上げた最初の窯跡は、現在、石川県加賀市にて「国指定史跡」として大切に保存されています。今日においても石川県は九谷焼の経済・文化の拠点であり、小松市を中心に多くの窯元が伝統の火を絶やすことなく、日々新たな名品を生み出し続けています。

 

現代へ続く「再興九谷」の進化

1800年代初頭の再興以来、多くの作り手たちが九谷焼の復興に加わりました。日本ではこうした作り手たちの工房を「窯元(かまもと)」と呼びます。

再興九谷の時代、職人たちは伝統を守るだけでなく、さらなる一歩を踏み出しました。多様な色彩の組み合わせや新しい技法を次々と取り入れ、九谷焼の表現の幅を劇的に広げたのです。

九谷焼の代名詞とも言えるあの緻密な意匠は、完成した白磁の上に「上絵絵具(エナメル質の釉薬)」を幾重にも重ねることで生み出されます。複雑な工程を経て描かれる文様は、まさに職人技の結晶です。そして、その仕上げとして最も重要なのが「焼成(しょうせい)」のプロセスです。窯の中で熱を加え、絵具をガラス質へと変化させることで、世界に二つとない独特の深みと輝きが宿るのです。


九谷焼ができるまで

九谷焼の皿ができるまでの工程は、16世紀から受け継がれてきた伝統的な手法に基づいています 。作り手によって細かな手法は異なりますが、 porcelain clay(陶石)の採取から始まる長く緻密なプロセスは、今も昔も変わりません

1. 陶石の採取と精製

石川県の花坂(はなさか)地区では、良質な陶石が採掘されます 。採掘されたばかりの石はそのままでは使えません 。金や宝石が磨かれて輝くように、陶石も不純物を取り除き、成形に適した粘土状になるまで丁寧に精製されます

2. 成形(形づくり)

精製された粘土は、用途に合わせて形作られます。伝統的な手法は、職人が手作業で操る「ろくろ成形」ですが、非常に手間と時間がかかります 。そのため、現在では多くの窯元(かまもと)で、均一な品質を保つことができる「型打ち成形」も採用されています

3. 焼成と施釉(せゆう)

形を整えた皿は、まず窯で「素焼き」されます 。その後、表面に釉薬(うわぐすり)を施し、さらに高温で再び焼き上げます 。この焼成プロセスを繰り返すことで、釉薬が磁器にしっかりと溶け込み、九谷焼特有の丈夫さと、ガラスのような美しい光沢が生まれるのです

4. 絵付けと仕上げ

最後の、そして最も重要な工程が「絵付け」です 。熟練の職人がその卓越した技術を駆使し、鮮やかな色彩で美しい風景や文様を描き込み、唯一無二の芸術作品へと仕上げます 完成した九谷焼の底面には、作者や窯元の名が「銘(めい)」として記されます 。筆で描かれたり、刻印されたりするこのサインは、その作品が正真正銘の九谷焼であることの「本物の証」なのです

 

ご提示いただいた「九谷焼の使い方とお手入れ」に関する英文を、ECサイト向けに、お客様の大切な器を末永く愛用していただくための温かみのある日本語で構成しました。

末永くお使いいただくために

九谷焼は、次世代へと受け継いでいくことができる、暮らしを彩る芸術品です。日々の食卓を飾る器として、あるいは空間を演出するインテリアとして、お客様の感性に合った一枚をお選びください。

伝統の技が息づく九谷焼を、より美しく、長くお使いいただくために、以下の点にご注意ください。

 

1. 日常のお手入れについて

洗浄方法: ぬるま湯と中性洗剤(マイルドな洗剤)を使い、柔らかいスポンジなどで優しく洗ってください。

強い洗剤の回避: 強い化学成分を含む洗剤や研磨剤の使用は避けてください。九谷焼特有の繊細な絵付け(上絵)や釉薬(エナメル質)を傷め、色あせの原因となります。

釉薬の役割: 九谷焼の表面を覆う釉薬(うわぐすり)は、料理の油分や匂いの染み込みを防ぐ役割を果たしています。この光沢を美しく保つことが、器を長持ちさせる秘訣です。

 

2. 窯元の推奨に従う 器の種類によって最適な扱い方は異なります。それぞれの窯元が推奨する指示に従うことで、九谷焼の鮮やかな色彩を何十年も保つことができます。

食卓を華やかに彩り、お住まいの空間に新たな彩りを添える、あなただけの「本物の九谷焼」をぜひ見つけてください。